2011-05-24から1日間の記事一覧

男と女('66) クロード・ルルーシュ<「叙情」と「緊張」という二つの「視聴覚の刺激効果」を挿入する〈愛〉の揺曳>

1 「叙情」と「緊張」という二つの「視聴覚の刺激効果」を挿入する〈愛〉の揺曳 クレイジーラブやミラクルラブが溢れ返る映画に馴致し過ぎてしまうと、何とも退屈な映画にしか見えないことを再認識させられる一篇。 しかし、このような私的事情を抱える男…

道('54) フェデリコ・フェリーニ  <「闇夜」、「浜辺」、そして、「神から遠き者」の嗚咽>

1 「相互の共存性」を求める者の心情世界に近づいて 「『道』は非常に根深い対立、不幸、郷愁、時の流れ去る予感などを語った映画で、一つ一つが社会問題や政治的責務に還元できるわけではなかった。だからネオリアリズムの熱狂に支配されていた時代に、退…