2012-06-19から1日間の記事一覧

恋愛ゲームの手痛い挫折者  文学的な、あまりにも文学的な

アンデルセンは、片思いの恋人(ルイーゼ・コリン)に読んでもらうために自伝を執筆し、それを出版した。 その中で自分の数奇な遍歴を誇張し、努力家としての自分のイメージを必死に売り込んだ。 しかし、ルイーズから手紙を送り返されて、嘆くばかりだった…

人間をサイボーグにさせない自由の幅  文学的な、あまりにも文学的な

役割が人間を規定すると言われる。 役割が人間を規定することを否定しないということは、人間は役割によって決定されるという命題を肯定することと同義ではない。 そこに人間の、人間としての自由の幅がある。 この自由の幅が人間をサイボーグにさせないので…

苦悩することの可能なくしては、享楽することの可能は不可能である  文学的な、あまりにも文学的な

「苦悩を癒す方途は無意識を意識の衝撃にまでもたらすことであり、決して無意識の裡に沈潜させることではなくして、意識にまで自らを昂揚し、而もよりいっそう苦悩することである。(略)苦悩の悪は、より大なる苦悩によって、より高次の苦悩によって癒える…

禁断の愛の破壊力  文学的な、あまりにも文学的な

禁断の愛は、堅く封印された扉を抉(こ)じ開ける愛である。 その扉を抉じ開けるに足る剛腕を必須とする愛、それが禁断の愛である。 そして、その扉を抉じ開けた剛碗さが継続力を持ったとき、その愛は固有なる形をそこに残して自己完結する。 果たしてそこに…