2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

嫉妬感情の心理学

1 嫉妬感情とは何か 私たちは、自らが心積もりをし、期待していた利益を獲得できなければ、悔しい思いをする。 悔しい思いをしても、その思いを推進力にすれば、次の機会に挑戦できる可能性がある。 そのように解釈し、一過的に自己完結できる人は幸せであ…

ハンセン病差別の暗くて深い闇 ―― その風景の途方もない凄惨さ

1 日本のアウシュヴィッツ 「私は義憤を感じた。この恥ずべき病者を多くもっていることは文明国の恥である。さらにそれを街頭にさらして何の方法もとらないことは、何という情けないことであろう。 ― 即ちライは、最愛の家族に感染させてその生命をほろぼす…

軽視してはならない鬱病の破壊力

鬱病とは、一体、何だろうか。 改めて、それを考えてみる。 まず、発症率が3~5%と言われるほどに高い、鬱病のメカニズムが、未だ、現在の医学では充分に解明されていないという現実を理解する必要があるということ ―― 残念ながら、私たちは、この事実を…

「芸術世界の天下人」 ―― 利休の凄み

利休は私にとって、永遠にミステリアスな人物である。 利休の賜死事件の事実を記録する資料すら存在しないからである。 だから、この魅力ある男の死について多くの仮説が生まれ、それが文学の格好の題材にもなってきた。 そんな文学の中で、映画「利休にたず…

環境が遺伝子を動かす

全ての生物は約60兆の細胞から構成されている。 0.01mm程度の大きさを持つ細胞の中に細胞核があり、その細胞核の中に生物を形成し、生きていくための染色体がある。 23組46本で、2本で1組となっている染色体(そのうちの1組、2本の染色体が…

性犯罪は「魂の殺人」である

1 「人間の尊厳」の被弾の問題こそ、性犯罪被害者が負う終わりの見えにくい精神的外傷である 性犯罪は「魂の殺人」である。 私は、この言葉を何度でも断言する。 「レイプ」を許しがたい「犯罪」として認知し、それを我が国の国民の共通言語にしない限り、…

自尊感情の心理学

1 意識する自己はすべて「客体としての自己」である 私たちは、日常生活で出会う様々な対象・出来事を評価している。 評価の対象には、当然のように、私たち自身も射程に入っている。 自己に対する評価 ―― そこに、私たちの自尊感情が生まれる。 社会心理学…