2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

壊れゆく、ほんの少し手前の風景が一番美しい

1 イメージとして揺蕩(たゆた)っている定義困難な「美」は、常に、時代によって揺れ動く価値を有する何かである 常緑針葉樹のアカマツや、ヤマザクラ、カエデ類の落葉広葉樹林の国有林によって、見事な森林景観で有名だった嵯峨嵐山が、建築用材の需要の…

「オリンピック」に収斂される近代スポーツの本質 ―― 或いは、「2020年東京五輪」が抱える隘路

1 福島の状況は「アンダーコントロール」されているか オリンピックは「ハレ」の大行事である。 アスリートが、自らの能力をマキシマムに全身で表現し、自己完結するスポーツの「ハレ」の祭典である。 その「ハレ」の祭典が、東京に決定された。 2013年…

「戦場の性」 ―― 私たち人間に突き付けられた、あまりに重い恒久的課題

1 「ベルリン終戦日記―ある女性の記録」 ―― その壮絶なる問題提起 敗戦後の日本で、米軍が上陸した最初の10日間だけで、1336件のレイプ事件が発生した。 この数字が、神奈川県下のみでのレイプ犯罪であるという史実に震撼させられる。 この史実の信憑…

「武士道」とは、非生産階級としての武士階級の防衛的安全弁である

1 「武士道」は朱子学のイデオロギーに裏づけされつつ、進化していった 「御恩」と「奉公」の契約から成る主従関係に拠って成る、武士階級の倫理体系を、広義に「武士道」と呼ぶならば、この倫理体系の基盤が鎌倉時代に成立したと考えるのが常識である。 こ…