2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

日日是好日('18)   大森立嗣

<「一期一会」と「余情残心」 ―― 「今」・「この時」を丁寧に生きていく> 1 「日日是好日」の要諦を内化し、地に足をつけて呼吸を繋いでいる 二人の女子大生がいる。 一方は、田舎から出て来て、東京で一人暮らしを謳歌し、何事につけても能動的で、決意…

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ('17)   石井裕也

<落としどころがなく、溶融しにくい会話を交わしながら、不器用な二人の男女が心理的距離を縮めていく> 1 「まあ、俺は変だから」「へえ、じゃ、あたしと一緒だ」 渋谷の夜の街の片隅。 「でもさ、なんでこんなに、何回も会うんだろうね。東京には100…

全人類を餌にする破壊力が爆裂する ―― 人類史は感染症との壮絶な闘いの歴史である

1 細菌と人類の終わりなき苛烈な攻防の歴史 打製石器と骨角器を武器に狩猟採集生活を送っていた「獲得経済」の時代から離れ、磨製石器と土器の出現(「新石器革命」)を可能にした私たち人類が、およそ12000年前頃に、家畜を飼育し、食糧を生産する農…

イングマール・ベルイマン ―― その映像宇宙のいきり立つ表現者

1 「人生が絶望的でも、戦うことが人間の義務だ」 イングマール・ベルイマン(以下、ベルイマン)は、私にとって特別な存在である。 「人生の師」であると言ってもいい。 「人生が絶望的でも、戦うことが人間の義務だ」 これは、初期の「インド行きの船」(…

わらの犬('71)   サム・ペキンパー

<「逃走」を拒み、「闘争」に踏み込み、「戦士」を立ち上げた男の「生き延び戦略」―― その壮絶な暴力の戦略的風景の凄み> 1 「僕には研究がある。余計な事に関わりたくなかったんだ」 宇宙数学者デイビッドは、奨学金を受給して、星の内部構造と放射線の…