2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

用心棒('61)   純度100%のエンタメ時代劇の決定版

1 「用心棒にも色々ある。雇った方で用心しなきゃならねぇ用心棒だってあらぁ」 風来坊の素浪人・三十郎がやって来た宿場町には、賭場の元締めの清兵衛一家と、跡目相続への不満で独立した清兵衛の弟分の丑寅一家との争いが絶えず、すっかり荒廃していた。 …

八月の狂詩曲('91)   「戦時の悲劇」と「牧歌的な平和」が架橋する

1 「戦争が終わってもう45年も経つとに、ピカはまだ戦争ば止めとらん。まだ人殺しば続けよる。ばってん、みんな戦争のせいたい」 「なんだか、おかしな夏でした。その夏休みには、奇妙な出来事ばかり起こりました」(たみのモノローグ) 長崎の山村に住む…

土喰らう十二ヵ月('22)   「今日」という一日を丁寧に生きていく

1 「ここに住まないか?毎日、うまいもの喰えるぞ」「ありがとう。ちょっと考えさせて」 信州の山奥で畑作の自給自足の生活をする作家・ツトムの元に、担当編集者の真知子が車を走らせ向かっている。 〈立春〉一年のはじまり(2月3日、2月4日頃) ツト…

ひろしま('53)   怒りを力に変え、その惨状を描き切った唯一無二の幻の名画

1 「僕は原爆の恐ろしさと、あの非人道的なことを世界の人に叫ぶ前に、まず日本人に分かってもらいたいんです」 「1945年8月6日朝、2時45分3機のB29は、テニアンの基地を出発した。指揮官ティベック(ティベッツ)大佐搭乗のエノラ・ゲイ号の爆…