2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

境界を超えていく芸術表現の仮想体験

1 映像批評の規範性 映像が提示したものを、観る者は想像力を駆使して読み解いていく。 映像が提示したものと、提示されたものについて想像力を駆使する者が、観念の世界で結ぶ幻想の中枢を「批評の前線」と呼んでもいい。 「批評の前線」にあって、想像力…

人間の尊厳とは、自らの〈現存在性〉と折り合うことである

1 尊厳的な価値を自らのうちに見出せない〈現存在性〉の奥深い闇 レコンキスタ(イスラム教徒からのキリスト教徒のイベリア半島奪回運動)以降、国民の約70%がローマ・カトリック教のスペインに、かつて、ラモン・サンペドロという人物がいた。 Wikipedi…

「生者」は「死者」となり、移ろい過ぎ去ることなく、「永遠の詩人」として蘇る ―― イラン革命とは何だったのか

1 イラン革命とは何だったのか まるで、それは〈天〉と〈地〉がひっくり返ったような世界だった。 外部環境の劇的な体制転換=「レジームチェンジ」によって生まれた新体制は、多様化し、様々な差異を見せながら発展・進化してきたヨーロッパやアメリカ文化…

戦争における「人殺し」の心理学 ―― 「見える残酷」を如何に削り取っていくか

1 「社会主義共和国」を謳う、アメリカより遥かに「厄介な国」がミサイルの脅威をちらつかせて、我が国を包囲する アメリカが途轍(とてつ)もなく厄介な国に堕ちていったのは、日本に対する二度にわたる原爆投下であると、極めて主観的に私は考えている。 …