2016-08-16から1日間の記事一覧

エル・スール(’82) ビクトル・エリセ <父が失った振り子を繋ぎ、それを自我の確立に変換させ、昇華し、社会的に自立していく娘の物語>

ゼロ年代以前に作られたヨーロッパ映画の中で、ベルイマンとハネケ映像群を別格にすれば、私はこの「エル・スール」が一番好きだ。 オメロ・アントヌッティの僅かなセリフと表情のみで、人間の孤独の極限的な様態を、ここまで抉(えぐ)り出した映像に、唯々…