2011-04-20から1日間の記事一覧

家族の肖像('74)  ルキノ・ヴィスコンティ <老境無残―「状況」に捉われて、噛まれて、捨てられて>

1 異文化圏に棲む者たちに翻弄されて イタリアのローマ。 この大都市に豪邸を構える一人の教授がいる。家政婦と共に住むが、家族を持たない孤独な生活を送る彼の趣味は、絵画のコレクション。それも「家族の肖像」と呼ばれる、家族団欒を描いた18世紀英国…

かもめ食堂('05) 荻上直子 <「どうしてものときはどうしてもです」―― 括る女の泰然さ>

1 「距離の武術」としての「アイキ」の体現者 合気道―― 「理念的には力による争いや勝ち負けを否定し、合気道の技を通して敵との対立を解消し、自然宇宙との『和合』『万有愛護』を実現するような境地に至ることを理想としている。主流会派である合気会が試…