2010-10-04から1日間の記事一覧

近松物語('54) 溝口健二 <「峠の爆発」―ラインを重ねた者の突破力>

峠の茶屋を目指して、男は女を担ぐようにして、その歩を一歩ずつ進めていく。ようやく辿り着いた茶屋は、単に一軒の農家のようでもあった。 男は農家の主婦に一時(いっとき)の休憩を求めて、快諾された。人の良さそうな農婦だった。女は旅の疲れで、足が動…