2011-04-26から1日間の記事一覧

ワンダフルライフ('99) 是枝裕和 <「人と人が記憶を共有する」という、人間の固有の自我の内部世界に対する過大な幻想>

「これ以上、人から忘れられるのは恐いんだ」 これは、「人が死んでから天国へたどりつくまでの7日間というファンタジックな設定の中で、"人にとって思い出とは何か?"という普遍的なテーマを描いた作品」(公式HP)である本作において、「死んでまもない…

レナードの朝('90) ペニー・マーシャル<「爆発的奇跡」―― ロマンチシズムへの過剰な傾斜という凡作の極み>

1 隔離施設の中の治療的試み 1969年夏 ブロンクスにあるベインブリッジ病院。 慢性神経病の患者専門の病院である。 臨床医の応募のために、セイヤー医師は当病院の面接を受けて、何とか就職できた。 彼は5年かけて、4トンのミミズから1デジグラムの…