2014-04-08から1日間の記事一覧

明日の記憶(‘05) 堤幸彦 <「夫婦」という記号だけが置き去りにされた、一人の男と一人の女の物語>

1 屋上の縁に立って、不安の極点を身体表現する男を襲う悪魔の鼓動 いつも、それは唐突にやって来る。 唐突にやって来るから困惑し、動揺し、狼狽する。 狼狽してもなお、より深刻になる状況に翻弄され、内側で何かが煩く騒いで止まなくなる。 内側で確実に…