2014-05-09から1日間の記事一覧

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(‘07)  ポール・トーマス・アンダーソン<「絶対個人主義」というルールで駆け抜けた孤高の男の、その収束点の陰翳感>

1 剥き出しの大地にへばり付き、穿っていく男の強烈なる個我の裸形の風景 風荒(すさ)ぶ荒野の一角で、一人の男が鶴嘴(つるはし)を振るっている。 夜になり、男は野営する。 その直後の映像は、小さな暗い穴の立坑で、右手に槌(つち)、左手に鑿(のみ…