2014-08-11から1日間の記事一覧

「人生を無駄にした罪」によって裁かれる男の物語

1 「半径2メートルの世界」 ―― 〈私の状況〉であり、〈私の時間〉の囲み方 森内俊雄の「氷河が来るまでに」(河出書房新社刊)。 かつて私は、この小説を二度読んだ。 現代文学の中で、私は、底知れぬほど苦脳する男の心の風景を描いたこの小説を、最も愛…