2010-12-26から1日間の記事一覧

ファーゴ('96) コーエン兄弟 <確信的日常性によって相対化された者たちの、その大いなる愚かしさ>

稿の最後に、これまで言及した者たちの自我の崩れ方のさまとは、全く没交渉な人物のことを書いていく。 本作の主人公であるマージである。 彼女は小さな町の警察署長にして、心優しき画家である男の妻である。そしてこの妻は、あと二ヶ月足らずで出産を予定…

遅れてきた「反抗的なエロス青年」 ―― その情感系の暴走

「卒業して いったい何解ると言うのか 想い出のほかに 何が残るというのか 人は誰も縛られた かよわき子羊ならば 先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか 俺達の怒り どこへ向うべきなのか これからは 何が俺を縛りつけるだろう あと何度自分自身 卒業すれ…