2010-12-30から1日間の記事一覧

小島の春('40)  豊田四郎  <情熱、慈悲の深さ、そして偽善 ―― 物語の心的風景として>

ここから、映画についての私の感懐を述べたい。 「ハンセン病治療に、生涯を捧げたある女医の手記」 これは、近年発刊された「小島の春 復刻版」(長崎出版 2009年5月)のサブタイトルの言葉。 「・・・に生涯を捧げた」などという表現と出会っただけで、…

イデオロギーは人間をダメにする

イム・グォンテクという、シネフィルにはよく知られた映画監督がいる(写真)。 「韓国映画の良心」とも評価し得るような、一代の巨匠である。 「1936年5月2日、全羅南道長城生まれ。第二次世界大戦直後の左右抗争の時代、イム・グォンテク一族の多く…