2011-01-19から1日間の記事一覧

「連合赤軍」という闇 ― 自我を裂き、削り抜いた「箱庭の恐怖」  1

1.最高指導者 森恒夫はかつて、赤軍派の内ゲバの恐怖から敵前逃亡を図り、組織から離脱したという過去を持つ。当時、赤軍派の創立者であった塩見孝也の意向により組織への復帰を果たすが、実は、この消しがたい「汚点」が、後の連合赤軍事件の陰惨さを生み…

「連合赤軍」という闇 ― 自我を裂き、削り抜いた「箱庭の恐怖」  序

1971年末から72年にかけて、この国を震撼させた大事件が起こった。「連合赤軍事件」がそれである。 連合赤軍とは、当時最も極左的だった「赤軍派」と、「日本共産党革命左派神奈川県委員会」(日本共産党から除名された毛沢東主義者が外部に作った組織…

ワン・フルムーン('92) エンダヴ・エムリン  <「悲劇の連鎖」が「贖罪の物語」の内に自己完結する映像の凄味>

全ては、主人公を含む3人の少年による、一人の男への常軌を逸した悪戯によって開かれた。 その「事件」から、本篇を貫く、理不尽とも言える「悲劇の連鎖」が繋がっていったからである。 最後に、「少女殺し」によって全てを失う少年の、その後の人生の時間…