2011-06-14から1日間の記事一覧

七人の侍('54)  黒澤 明 <黒澤明の、黒澤明による、黒澤明のための映画>

序 黒澤明の、黒澤明による、黒澤明のための映画 正直なところ、私は「黒澤映画」があまり好きではない。 それは、小津安二郎や溝口健二、木下恵介、大島渚、篠田正浩、増村保造等といった著名な映像作家の作品がそれぞれの理由であまり好きでないように、私…

息子の部屋('01)  ナンニ・モレッティ <悲嘆は悲嘆によってのみ癒される>

1 「グリーフワークのプロセス」のステージとしての「ショック期」、「喪失期」 作り手の問題意識と些か重ならない部分があるかも知れないが、私は本作を、「『グリーフワーク』という迷妄の森に搦(から)め捕られたときの危うさと、そこから抜けていく可…