より抜粋

 奥武蔵・秩父の素朴な自然は、私にとって最も馴染み、愛着の深い風景になっている。

 以下の写真は、四季折々に足繁く通った集落等で撮ったもので、容易に律動感を保持し得ない、鈍重な歩行による疲労を立ち所に払拭してくれる、それ以外にない頓服薬だった。

 これと出会うために、鈍重な歩行を繋いできたと思わせるに足る、何とも言えない愉悦の気分を手に入れられるから、この愛着の深いエリアに繰り返し足を運んだのだろう。

 今は、記憶の中にしか存在しない奥武蔵・秩父の風景への愛着は、まさに、その固有の記憶の中で彩り鮮やかに蘇生しているのである。
 
 
[ 思い出の風景/奥武蔵・秩父の四季(その1)  ]より抜粋http://zilgf.blogspot.com/2011/07/blog-post_08.html