四季の彩り(夏から秋へ)

 北米原産のアメリカフヨウは、2mになる草丈を携えて、盛夏に真紅や白、ピンクの花を、周囲を圧倒するように凛として咲かせるインパクトの強い大型の草花。

 涼を求める気分も手伝って、奥武蔵の集落を真夏に徘徊していると、民家の庭先にこの草花が咲いている光景を見ることがあるが、それを遮るもの何ものもなく、直射で喰い刺さってくるような太陽光線の強さにも負けない真紅の原色の色彩が、眼に深く沁み入るようなインパクトを放ち、私にはもう、それだけで充分感動ものなのだ。

 ヒルガオ科のアサガオばかりか、夏に咲くフヨウ属の草花がそうであるように、このアメリカフヨウもまた、一日花の生命を惜しみなく生き切って、何の未練もなく散っていくような強靭なイメージを与えてくれる花である。

 そんな勝手なイメージを与えてくれる花であるからこそ、この北米原産の大型の草花が好きなのだと思う。

 直射日光をまともに受けつつも、二回以上の水遣りを欠かさなければ、その育て方が簡単と言われているようだが、「見て、楽しむ」だけの私のような門外漢には、奥武蔵の集落を真夏に徘徊する気分で、一日花の写真を撮るというミッションステートメント(行動規範)を逸脱すべきではないのだろう。

 ここには、他にも、同じ一日花のムクゲやフヨウの画像もあるが、何といっても、初秋の花であるシュウカイドウが私のお気に入り。

 湿気の多い場所を好むためか、奥武蔵の渓流の脇などに目立たないように咲いていて、それが素晴らしい構図を作ってくれるのである。

 特に、吾野駅の近くの池に、薄紅色の花を咲かせるシュウカイドウは、悠々と泳ぐ鯉と共有するかのような特定スポットは、殆ど睦みのマッチングのイメージそのなのである。

 やはり、私には奥武蔵の集落で出会う風景こそが、それ以上ないセラピー効果をもたらすのだろう。
 
 
[ 思い出の風景 四季の彩り(夏から秋へ)  ]より抜粋http://zilgf.blogspot.com/2011/11/blog-post_05.html