2010-11-27から1日間の記事一覧

ラスト・ショー('71)  ピーター・ボグダノヴィッチ <青春映画のコアを包括的に吸収した「風景の映画」>

この映画が秀逸なのは、「風景の映画」としての包括力を持って、「青春映画」のコアの部分を巧みに吸収する表現力を構築し得たからである。 「風景の映画」―― それは「土地の風景」であり、「時代の風景」であり、その時空で呼吸を繋ぐ「若者たちの心の風景…

不幸という感情

なぜ自分ばかり、こんな目に遭うのか。なぜ自分だけが、こんな不運なのか。なぜ自分だけが、と無限に続く、この種の被虐観念の強い人々に共通するのは、「全てが公平ではないと我慢できない」という感情と、普通の人の普通の経験ですら、不幸で不運な出来事…