2011-07-27から1日間の記事一覧

まぼろし('01) フランソワ・オゾン  <「対象喪失」の深甚な懊悩を糊塗するための、それ以外にない幻想の城砦が崩されたとき>

1 愛する者を喪った悲嘆を癒す「仕事」の艱難さ 「対象喪失」の懊悩を描いた作品は多いが、その代表的作品は、ナンニ・モレッティ監督の「息子の部屋」(2001年製作)であると、私は考えている。 「息子の部屋」では、「グリーフワークのプロセス」につ…

武蔵野春爛漫(その2)

練馬区西大泉に自宅兼用の学習塾の借家を借りていた私は、西武池袋線に乗って都心に出て、そこから、都内各所にあるビューポイント巡りをする選択肢も悪くないと考えていた。 実際、これまで知らなかった多くの花名所を、繰り返し訪れもした。 そこで出会っ…