2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

グリーフワーク ―― 魂の中枢をくり抜く、その底知れない欠損感覚

1 心の傷が出口を塞がれ、内部で裂け目を強くし、心身の総体が捩れ切って変調していく 絶対に喪ってはならない特定他者を喪った時の衝撃は計り知れないだろう。 まして、その喪失が災害・事故・自殺などに起因する「突然死」だったら、残された者の衝撃は筆…

「夢を見る能力」の凄みが「夢を具現する能力」を引き寄せ、蓄電し、炸裂する

1 「夢を見る能力」と「夢を具現する能力」 私がよく使う言い回しだが、夢には2種類ある。 「夢を見る能力」と「夢を具現する能力」である。 「夢を見る能力」が「夢を具現する能力」にシフトするには、それまでの自己基準的なリアリズムの枠内では収まり…

「包丁侍」 ―― その真骨頂の凄み

「硬直した階級社会」と決めつけられる江戸時代にあって、能力主義が導入され、身分の低い幕臣でも有能であれば、昇進することを可能にする画期的な制度が導入されていた。 江戸幕府・8代将軍吉宗が導入した足高(たしだか)制が、それである。 1723 年…

白鵬は日本の大相撲界の救世主である

1 「離れてよし」・ 「組んでよし」という「安定的立脚点」に着地したと信じる男 勝負は一瞬で決まった。 世の大相撲ファンに鮮烈な印象を与えた取組は、白鵬と新関脇の勢(いきおい)の相撲。 2016年5月16日、夏場所(五月場所)でのことだ。 場所…

欲望の稜線が天を衝き、怒涛の逆巻く世紀の風景

1 「昔風」の社会は「当世風」の社会によってアウフヘーベンされていく 「今の世は最悪だ・・・・」・「今の若者はなってない・・・」という常套フレーズが、人類史を貫流させてきた現象の滑稽さを、私は今更のように感受する。 ここで私は、柳田国男の興味深い一…