2011-01-31から1日間の記事一覧

過剰なる営業者

過剰な営業者は、過剰なる自己像ホルダーか。 単に度外れた社交家なのか。或いは、他者から必要以上に見透かされることを恐れ過ぎる臆病心が、不必要な煙幕を張ることで、剥き出しの自我をガードするのか。また、自我を囲繞する視線にシャープに反応し、オー…

草の乱('04) 神山征二郎監督 <善悪二元論を突き抜けられない革命ロマンの感動譚>

結論から書く。 秩父事件を描いた映画「草の乱」では、事件を知る誰もが考えるように、北海道(野付牛町 現在の北見市)まで逃亡した井上伝蔵の病床での回顧によって事件の概要が語られていくが、肝心の蜂起の後の「前線基地での幹部の闘争放棄=『敵前』逃…

アメリカン・ビューティー('99)  サム・メンデス <「白」と「赤」の対比によって強調された「アメリカン・ビューティー」の、爛れの有りようへのアイロニー>

本作を、一人の青年が支配している。 リッキーという名の、18歳の青年である。 ビデオカメラで隣家の少女を盗撮したり、麻薬の密売で小遣いを稼ぐ危うさを持つ青年だが、そんな男に盗撮される当の少女が、青年のうちにピュアな心を感受し、自然の成り行き…