2011-02-24から1日間の記事一覧
原作にはない、父と子が獄中で同室になるという創作を仮構したことでも分るように、本作の作り手は明らかに、この映画の主題を「父と子の葛藤と和解」、そして冤罪でありながらも、看守に対しても律儀に対応する、その一貫して変らぬ父の誠実な生き方と、そ…
大坂船場の化粧問屋、維康(これやす)商店。 その息子の柳吉は、とんでもない道楽息子。東京の得意先で集金した金を懐に入れて、売れっ子芸者の蝶子と駆け落ちしてしまったのだ。その事実を知った柳吉の父は、中風で病の床に臥していたその体を起して、番頭…
物語は、成人したシャオチュンのモノローグで開かれる。 「北京の変貌は目まぐるしい。あれから20年。近代的な街に変身した。今の北京に昔の面影は見られない。私の思い出も、かき消されてしまった。私の思い出も、夢か真実かはっきりしない。私の物語は、…
1 移動への憧憬と定着への縛り 「エンドーラ。僕らの住む町だ。冴えない町なんだ。いつも同じ表情で何も起こらない。僕の働く食料品店。今や、国道沿いのスーパーに客を取られてしまった。これが我が家。パパが建て、今は僕が修理を受け持つ。弟の寿命を1…