2012-07-17から1日間の記事一覧

この国の「闘争心」の形

1 序 ―― その場凌ぎのリアリズム この国では、しばしば、結果よりもモチーフの純度こそ評価される傾向があるという指摘は多い。 極端に言えば、この国では「何をしたか」によってではなく、「何をしようとしたか」によって人間の価値が決まるのであり、その…

情感的軟着点によって雲散霧消した「岡田JAPAN」 ―― その風景のくすんだ変色

1 敗者をも特定する「近代スポーツの本質」 「曖昧な国の、曖昧な文化」の欺瞞性に地団駄を踏んでいたとき、偶(たま)さか、同時進行で「サッカーW杯南アフリカ大会」のテレビ中継があった。 テレビ中継は、大方の予想を裏切って、我が国は1次リーグを2…

映画の中の決め台詞  その1  〈欺瞞を撃ち抜く台詞集〉

序 「“機銃を浴びせて手当てする”―― 欺瞞だ。見れば見るほど、欺瞞に胸がムカついた」 「 友愛外交というのは難しいテーマではありますが、それを現実に行ってきたのがヨーロッパ、EU(欧州連合)であることを考えたときに、敵視し合っていたフランスとド…

イデオロギーは人間をダメにする

イム・グォンテクという、シネフィルにはよく知られた映画監督がいる(写真)。 「韓国映画の良心」とも評価し得るような、一代の巨匠である。 「1936年5月2日、全羅南道長城生まれ。第二次世界大戦直後の左右抗争の時代、イム・グォンテク一族の多く…

「脆弱性」―― 心の風景の深奥 或いは、「虚偽自白」の心理学

こんな状況を仮定してみよう。 まだ眠気が残る早朝、寝床の中に体が埋まっていて、およそ覚醒とは無縁な半睡気分下に、突然、見たこともない男たちが乱入して来て、何某かの事件の容疑事実を告げるや、殆ど着の身着のままの状態で、有無を言わさず、そのまま…