男の虚栄が崩されていく

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1  「欲望自然主義」の知覚系の炸裂と、女たちの「生活合理主義」のフルスロットル
 
 
男の虚栄の推進力が、今や、明らかに衰弱してしまっている。
 
戦後の高度成長期が一段落し、人々の生活が人並みの豊かさを手に入れるとで、この国の人々は、私権の拡大的定着を求めて、慌ただしく動いていく。
 
そのランドスケープの鮮度の眩(まばゆ)さは、時代が運んできた、滾(たぎ)り立つエネルギーの渦巻く律動感の、エッジの効いた知覚系の炸裂だった。
 
外洋の表面の波状の動きが岸に衝突し、それ逆流する「離岸流」の破壊力に身を預け、女たちに根強い、「生活合理主義」を直進する熱気の氾濫(はんらん)が、疾駆する人々の革命的推進力を紡いでいくのだ。
 
もう、誰にも止められないようだった。
 
牧歌的なコミュニティの「秩序」を脱し、時代の空気を裂き、沖に向かって逆流する波動に酔い、心地良き「物語」をリプレース(更新)していく。
 
だから、欲望を超克する「道徳的武装」など、どうでもよかった。
 
人々が動き出したとき、そこにはもう、「個性」という名の「能力総体」の内実のみが商品価値となる。
 
資本主義の内面的生命線である、「欲望自然主義」の知覚系の炸裂が高度経済成長期に剥(む)き出しに現出し、人々は、能力的スケールが常に比較される前線に押し出されて、業務遂行能力に基づく職能給の前線で差別化され、次第に、能力的スケールを持ち得ない男たちの虚栄の表出は認知されなくなってきた。
 
「欲望自然主義」の知覚系の炸裂と、その炸裂と巧みに折り合いをつけ、不毛な観念の出し入れでしかない、男たちの虚栄を蹴(け)飛ばす女たちの、構築的な「生活合理主義」のフルスロットル。
 
女たちの強さが、彼女らのキャリアを阻む「ガラスの天井」という障壁に、いよいよ皹(ひび)が入り、少しづつ裂け目を広げていく。
 
「ガラスの天井」に弾かれても、雨後筍(たけのこ)のように現れ、消え、頓挫しても、後発の女たちのラインが繋がる行程で、能力的スケールが脆弱な男たちの虚栄が、相対的に剥落(はくらく)していく風景が、「前線」と「銃後」の其処彼処(そこかしこ)に、私たちの射程に入ってくる。
 
時代が変化してしまったのであ


心の風景「男の虚栄が崩されていく」よりhttps://www.freezilx2g.com/2019/04/blog-post.html